【大祓と伊豆能売】~天照皇大神と素戔嗚大神の誓約 《癒奏術・水火土の章》




天の益人たちの罪穢れにより世界に広まった【八岐大蛇】という名の《大災厄》

それにより『神々の世界』と『人々の世界』は断絶し、『神』と『人』の《岩戸》は閉じ、神々と人々は離れていった。

神界は乱れ、その乱れは現世に感染(映)る。


一度は鎮めたものの、その災厄の大波の「余波」は、神界、霊界、人界を大いに乱しながらその極みへと広がりゆく。


その広がる「罪穢れ」を鎮めるために「天津神」と「国津神」が共和して「火」と「水」を結んだ『神々』を遣わした。

それが『伊豆能売の神々』

誓約により誕生した五男三女の八王子神と、乙姫、木花咲弥(阿多都)姫の『五男五女神』併せて十柱の神々たちが『祓い』を司るための【誓約】である。


十柱の神々は男女一対の「火(厳)水(瑞)・カミ」として『五柱』となり、きひつかみ(木火土金水)として五元五行の「巡り」の中で「穢れを祓う【伊豆能売神】」としての役割を果たしてきた。


神界、霊界、現界の「穢れ」を『大海原』に持ち出し、『大海原』の『循環』の中で浄化し、最終的に『根の国』へと持ち去る。


大海原へ押し流す『天照皇大神』である【瀬織津姫】から、『根の国』で「穢れ」を受け取る【素戔嗚大神】

速秋津比売が穢れを呑み込むと、気吹戸主の「流れ」に乗って速佐須良比売へと受け渡され、根の堅洲国(伊弉冉大神の国)の素戔嗚大神の元へと渡される。

この『型』を実際に『力として現出させる』のが五柱の五元五行の神(火水)である【伊豆能売神】たちである。



【八岐大蛇】とは穢れ、災厄そのものであるが、同時に穢れ、災厄を『集約』する【装置】となる。

それは、穢れや災厄を呑み込み「肥大化」してゆくが、特定の「方向性」に基づいて集約されて行くものであり、『型』となることで穢れや災厄を浄化するある種の「段階」でもある。

そして、『型』となることで浄化の『型』も生まれ、そのサイクルが『祓い』となるのである。

悪は悪の『型』となることで『浄化』へと進む事が出来る。

そして、罪、穢れ、災厄は浄化されることで【草薙劔】を生むこととなる。

その【劔】を生むのが五柱一対の神々の御子神たちであり、【劔】が生まれることで【神直日・大直日】が成熟する。



【草薙劔】を生むためには、鋼を焼き練りに練られ、打ちに打たれなければ錬成されない。

だから【八岐大蛇】が誕生するのである。

つまりは、玉鋼たる「魂」が【八岐大蛇】という「災厄の渦」に呑まれて『錬成』されなければならないのである。

そして、ちゃんと「尻尾まで」たどり着いた者だけが『草薙劔』のような魂となり輝く。


その渦を渡るには『舵を持つ手を放す』必要がある。

『神々の浄化の巡り』に身を委ねられる者だけが尻尾までたどり着いて、根の堅洲国において【素戔嗚大神】の手で取り上げられるだろう。



幾千年の神の経綸


それが岩戸が開けたミロクの世界の現出へ至る【大祓】の【誓約】である。



全ては【太神】の御心のままである。