蟹の甲羅の内と外 ~蟹座新月の導き





2020(二線二重)の年から始まった洗濯(選択)に於いて、人は結局洗濯出来なかった。

【神】と【悪魔】の選択に於いて、【神】を選択したは二分。

九割八分は【悪魔】を選択した。


いくら【神】を褒め称えようと

いくら【悪魔】を罵ろうと

【悪魔】が握った『手綱』を掴んで手放さない。

心・口・意がみごとにバラバラである。


正義のため

光のため

人々のため

世界のため


その高尚な言葉とは裏腹に、【神】の手綱を握るものはほぼ居ない。


そう。

どんなに【神】が救いの手を差し伸べようとも、人は【神の御言葉】よりも【悪の御言葉】を選択する。

言い方を変えよう。

人はつまるところ【神の言葉】よりも【人の言葉】のほうが大事なのである。


【神の王】より【人の王】

それが九割八分の「選択」である。


もはや二線は交わることのないほどに離れた。


【神の言葉】を聞いていると言いながら、けっして【人の王】の手綱は放さぬ。

【神】と真反対の行き先であろうと、けっして離さない。

口では【神】を讃え、【悪魔】を罵り、【人の王】を【悪魔】と言いながらも、その悪魔が握った手綱を放そうとしない。


「あいつが悪い」

「あいつは悪魔だ」

「あいつは世界を滅ぼす」


そう言いながら、そんな『あいつ』の差し出す手綱を握りしめ、【神】の救いの手綱には目もくれない。


「仕方ない」

「自分ではどうしようもない」

「生きるため」


そう心に「言い聞かせ」、【悪魔】の手綱を握りしめる。






「もういいぞ」

乙姫殿は言う


きっと、もういいのだろう。


【神】の手綱を握るものだけ

ここから先はそれでいいのだ。




蟹の甲羅の内と外

蟹座新月で隔たる





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