現(うつつ)を抜かした御魂
現(うつつ)を抜かした霊懸かり
現実逃避のなれの果て
高慢ちきな天狗懸かり
貪り食らう獣懸かり
情けに植えた餓鬼懸かり
自分を無くした畜生道
身の現実と霊(たま)の現実
どちらも逃げだし現を抜かし
虚ろとなった身に懸かられて
自分が「誰」かも気付かぬほどに
御魂は禍霊に取り巻かれ
禍霊が【柱】となりたる姿
【八岐大蛇】の一部と成り鳴り
穢れ振りまき続けおる
「穢れ」と同化し「穢れ」がわからぬ
それでは「光」がわかるわけも無し
愛もわからず慈しみ無く
悲哀で暴れる「九頭(葛)龍」となり
蔓(つる)の如く巻き込んでゆく
自分は「善」だと思い込み
自分は「愛」だと思い込み
悲哀の「灰汁(悪)」を振りまいて
自分で撒いた「灰汁(悪)」に巻かれる
「灰汁(悪)」に浸って善だの愛だの
振り撒くほどに「灰汁(悪)」が舞う
撒けば撒くほど穢れ行く
舞えば舞うほど汚れ行く
現を抜かした魂は
その身を取られて戻る術無し
この世を捨てたるその御魂
我良し世界に行きなされ
我だけが良い世界には
他者が入る隙は無し
我だけが良い世界には
我一人しか存在し得ぬ
そんな世界が望みなら
どうぞお好きに通りゃんせ
善だ愛だと自分への情け
思う存分するが良し
現を抜かした神祀り
どこに神が居るのやら
現世を創りし神なるに
現抜かして何祀る
「自分が良くなりゃまわりも良くなる」
天地逆さの逆立ち御魂
現を抜かして霊懸かりして
天地上下もわからぬ有り様
八岐大蛇の一部となりて
灰汁を振りまき舞い踊り
葛龍となりて灰汁に巻き込む
まわりを良くする行いが
愛と輝きおのれも良くなる
それすらわからぬ霊懸かり
幾重にも霊が重なりて
御魂の光に届かぬ有り様
現を抜かして我が身から離れ
虚ろの身がありゃ霊懸かる
身体欲しさの霊が住む
霊に我が家を乗っ取られ
霊に仕えている御魂
自ら現を抜かしたがゆえ
我が家の主の座を奪われし
自分が自分と思っているもの
それは家たる身の自分
元の主と新たな主
身にしてみれば同じこと
禍霊に取られた身の我が家
その身は巳となり大蛇となりて
八岐大蛇の一部と化して
世に災いを振りまき踊る
愛と正義を声高々に
大禍を招く葛(九頭)の蔓(龍)
悲哀に呑まれ 悲哀から逃げ
悲哀に満ちたこの世から逃げ
剣に届かず大蛇となりて
退治され行く定めなり
悲哀に向き合わぬ限りは
けっしてそこから抜け出せぬ
抜け出せぬから地獄なり
抜け出すまでが地獄なり
逃げる心が地獄生む
向かう心が菩薩心
愛と情けの裏表
悲哀と慈愛の表裏なり
霊懸かりでは届かぬぞ
いつまでたっても裏返しのまま
天地逆さの逆立ち御魂
身に仕えたる御魂では
身霊が巳霊と成り鳴りて
大蛇の一部と化しゆくだけぞ
いつまで現を抜かしおるのか
0コメント