和歌とフトマニと稚日女命
神の衣服(ころも)は言の葉の 色とりどりに整えられた
美しく見目麗しい 十二単衣(じゅうにひとえ)の羽衣の絹
祓い言葉は三十二神 防人(さきもり)の数 短歌の御船(三二禰)
五、七、五、七、七で織られる 防人乗せたハ幡船
罪科穢(つみとがけが)れ 祓う物部(もののふ)
下照(仕立てる)姫の 祓いの呪(まじな)い
邪霊の穢虫(ホムシ) 祓いの言葉
タネハタネ ウムスキサカメ マメスメラノ ゾロハモハメゾ ムシモミナシム
ひとつ「字余り」穢虫なり 然れど呼吸(いき)で 穢虫消え去る
言の葉を織る稚日女(わかひるめ) 事の実生むは我が御魂
御魂に神が在るや無し 言事誠 在るや無し
言の葉の中 神威在り 言の羽衣 一目瞭然
見目麗しき羽衣と 虫が湧きたる羽衣と
言の葉に虫集(たか)りたる 益虫(ますむし)穢虫(ほむし)どちらも皆虫
美しかれど虫は虫 虫に魅せられ羽衣穢る
虫が湧きたる言の葉に 魅せられ事を誤りて やがて邪霊を呼び寄せて
禍霊に羽衣着せ替えて 神を偽る〇(空蝉)の御代
稚日女居ぬ間に 歪めたる 言の機織り 穢れが混じり
〇(空蝉)の衣を 悪が着る
見目麗しき 虫に魅せられ 自ら虫を纏(まと)いたる御魂
心に浮かぶ言の葉が 実を結ぶゆえ示現する
現われはすべて心の中の 羽(葉)衣着せた神の業(わざ)
何を神としているか 現れ見れば解るが道理
神の羽衣 薄衣(うすぎぬ)なるは その身がすでに麗しからで
虫も寄せ得ぬ言葉の衣(ころも) 薄衣の比礼(ひれ) 神宝(かんだから)
タネハタネ ウムスキサカメ マメスメラ・ノ(意気) ゾロハモハメゾ ムシモミナシム
神宝の「蜂の比礼」 ゆらゆら振れば(祝れば) 穢虫離れ行く
さらに乙姫(音秘め)祈り(意乗り)なば 言葉の波に呑まれて消ゆる
スセリが渡した比礼の業 大海原に穢れを祓う
穢虫・蛇霊・草草の禍霊 祓う十種の神宝
言の葉整え神の響きを 意乗らせ言葉を龍と成す
言を事へと結ぶ業 ひふみゆらゆら 言を祝る
言の羽衣 それを着る神 一致させるが祝詞の秘密
神が在るから「太祝詞(ふとのりと)」 神が無ければ太祝詞成らず
言の羽(葉)衣 機織る稚日女 言の数合わせ 数叉鳴(素戔嗚)の鈴
和歌の中の三十二神 アマテル神の防人神
読みて乙姫(音秘め)現れる 大海原を駆ける龍
言葉の中の観音力 羽(葉)衣を着た天女の姿
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