【魂の救済】 《癒奏術・弥勒・序》
ほとんどの人間が子供のころに押し込め埋め立てた「魂」
自らの魂を堕としているのは他ならぬ自分自身である。
そうして自分の魂を「無かったこと」にし続けて、もはや忘れてしまったか?
自分探しと言いながら、未だ誰かに認められるための自分の「仮面」を探して、あれも違う、これも違うと、いつまでたっても定まらぬ自分探しの旅。
ハナから自分の魂など探す気はなく、結局同じことを繰り返し続ける。
自分の魂を奥底に埋葬したまま・・・・
救え救えと言いながら、いったい何を救えというのか?
魂を埋めて押し込んでいるのは、ほかならぬ自分の手である。
その手を離して魂を掘り返し、取り上げるのが救済である。
だから手放しせよと言うのに、決してその手を離さない。
埋めて押し込む手を離さない。
それでは救いはないのである。
埋めて無かったことにしているから、誰からも認知されず、だから誰からも愛されない。
それもそのはず、自分自身が自分の魂への「自愛」が無いのだから。
だから他人も愛せない。
自分が持ち続けているその痛みを、他者にも与えることになる。
上っ面なその場限りの愛の仮面を誰かに与えるように、自分もそれを受け取るだけである。
子供のころに埋めてしまった、自分の大切な魂を掘り起こし、それを守り抜くことが「自愛」である。
それが出来るから他者への「慈愛」が持てるのである。
上っ面な愛情ごっこは、お互い仮面を壊さないようにする「暗黙の了解」でしかない。
自分の魂の呼び声を聞かないように、他人の魂の声も決して聞かない。
聞かない者同士のごっこ遊び。
魂を忘れ去り、葬った大地の上で、世界が愛で溢れるわけがない。
上っ面な愛を語る者が、上っ面な平和や平等ごっこをするだけの「仮装世界」でしかない。
仮面を被った仮装世界の箱庭で、魂の叫びから逃げ続け、忘却するために反対側へと向かえば向かうほど、悲しみは積もり恐れと転化し、怒りがくすぶり続け、その榾火(ほたび)を本来愛するはずの者へと伝播し行く。
愛を与える前に、叶わぬ愛への榾火で焼いてしまう。
なぜなら、「自愛」を知らないから「慈愛」を与えられぬ。
愛の手前に痛みがあるから痛みを与えてしまう。
悲しみが在るから悲しみを与え、恐れが在るから恐れを与える。
そうして愛無き愛が代々受け継がれてゆく。
自分の掌から落として埋めてしまったものを掘り起こせ。
子供のころに埋めてしまった自分の魂を掘り起こせ。
魂は自分が自分である証(あかし)。
それを尊ぶとき、人は「尊(みこと)」となる。
それを自分の真ん中に据え生きるとき「命(みこと)」となる。
神はそこにいる。
いや、そこにしかいない。
かつて神々を地に落とし、埋めた時、人は魂も地に落とし埋めた。
そうして人が神の仮面を被った。
その「業(ごう)」の中にすべての人がいる。
そして、その業(ごう)を今も繰り返し続けている。
自らの魂を掘り起こしたとき、自らの神は掘り起こされる。
かつて落とされ埋められた神々も掘り起こされる。
尊べば「尊(みこと)」
据えて生きれば「命(みこと)」
人と神が一致する弥勒の世界
そこへ至るには自らの手で自らの「魂の救済」が必要である。
自己犠牲
人は「自己犠牲」というものを勘違いしている。
何を勘違いしているかというと「ほとんどの人は無意識に自己犠牲を常識としている」ということである。
誰かのために行う英雄的な自己犠牲ではなく、日常の中に当然のように紛れ込んでいる自己犠牲である。
それが当たり前すぎて「自己犠牲」をしていることに気付かない。
そして、当たり前すぎてそれを他者にも当たり前のように押し付けていることにも気付かない。
お互いがお互いに「犠牲」を望み、「犠牲」を受け入れしているのである。
例えば、事故の被害者は得てして「加害者」へと転化する。
被害者であるという「立場」を掲げて加害者に迫る。
自己犠牲をしているから加害者へと転化し、他者にも自己犠牲を強いる。
それが顕著に現れたではないか・・・
コロナによって。
自己犠牲というものはけっして美しいものではない。
それは、道で言うなら「畜生道」である。
自分の「尊厳」を犠牲にしてようやく成り立っている世界が今の世界である。
そして、自らの尊厳を「切り売り」して糧にしているようなものなのである。
そんなことを当たり前のように求められ、そして、当たり前のように他者にも求める。
犠牲が前提の世界で、愛が育つわけもない。
愛にも犠牲がまとわりついて、別のものへと変質するばかりである。
だからまずは「犠牲」を辞めねばならない。
自分を犠牲にするという常識の土台から降りねばならない。
その土台に立っている限り、救うものにはけっしてなれない。
救いに犠牲を強いるとき、救いは救いで無くなり、その行為は「業」となる。
だから仏陀は言う。
天上天下唯我独尊と・・・・
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