言の波 《癒奏術・弥勒・序》




言音(コトネ) 言色(コトイロ) 言の香(コトのコウ)

観分けられねば 闇の世ぞ

言葉の型に頼りすぎて 嘘と誠の観分けつかぬぞ



言の波(なみ) 岩戸開きて観えねば 常闇(トコヤミ)

目で聞き耳で見る言波(コトバ)

鼻で味わい舌で嗅ぐ言波(コトバ)

言波観えねば渦に巻かれて 常闇へ沈みゆく




凪(ナギ)の海原 言の葉の船

凪波(ナギナミ)揃った大海原

言の葉の船は同じでも 意味するところ同じに非ず




目で聞いて 耳で見て 鼻で味わい 口で嗅げるは今のうち

再来年の七夕過ぎれば 波が見えるか見えぬかで

真言と魔言に分かれゆき 真事と魔事へ分離する

白黒まだらな時終わり 天国地獄の分かれ道



天国道は茨道 地獄道は安寧坂

言葉と言波の裏腹の道

尾張の道と富士の道

端真理(はじまり)告げる華(端)開く