「世界支配者」という幻想



別に「陰謀論」を否定するものではない。

ほんの一握りの人間たちが「世界を支配」しているという陰謀論を否定するものではない。

ただ私が言いたいのは、彼らは「世界を支配している」というわけではないということだ。


彼らが唯一支配できているもの

それが『金(かね)』

それ以外のものを支配してなどいない。



1%の『持てる層』が残りの99%を支配しているというがそれも違う。

実際は1%も居ない。

0,00001%か0,000001%くらいの割合ではないかと思う。

そのわずかの『持てる層』が『持っているもの』は『金』である。

その『金』を唯一支配しているだけである。



それでも『世界を支配している』と思うのは、自らの足場が『金』であり、自らの世界が『金』であるからだ。

そこにしがみつき、それを握りしめて手放せないから『支配されて』しまうのである。

振り回され、恐れを抱かせられ、喜びをもたらされ、感情を右に左に振り回され、行動を左右される。



しかし、握っていながら『握っていない』と言う。

しがみついていながら『しがみついていない』と言う。

本当にそうならばけっして『支配』されることなどない。

振り回され、かき乱され、左右されることはない。



彼らは世界を振り回してはいない。

彼らが振り回しているのは『金』だけである。

振り回されるのは、そこに根を生やし、握りしめしがみついているものである。

それを大地とし、それを世界としているから『世界支配』している・・・となる。



何度も言うが、彼らは『世界』を支配しているのではない。

そんなこと出来ないのである。

彼らが支配しているのは『金』という『水』であり、流れる『経済』の川である『水』をコントロールしているだけである。

『金』という『水』をコントロールし、そこに根を生やし、握りしめ、しがみつく人々が『自らの意思』で動くようコントロールしているにすぎない。



単純なことである。

それを大地とせず、それを支えとしなければ『支配』など無い。

そこに生やした根を別の大地に移せばいい。

しがみつく手を離し、別の大地に柱を立てればいい。

それが出来なければ『支配』され続ける。



出来ないと言うより、もはや自ら手放そうなどとは思わないのだろう。

『自由』になるよりも『支配』される「楽」を望むからだ。


『自由』になれば「楽」である。

しかし、『自由』の「楽」と『支配』される「楽」は同じでは無い。

自由の中の「安らぎ」と、支配されることの「安らぎ」も同じようで違う。




選択の『二線』に分かれた世界

その隔たりはどんどん広がり、やがて手の届かないほどの開きとなるであろう。


世界を支配しているものなど居ないことに気付いたならば、世界を支配など出来ないことを知るだろう。

世界の混沌は、ただただ『金』という『川の水』に引きずられ、振り回されている大勢の人が「右往左往」しているというだけなのである。


そこから離脱すれば・・・

世界は静けさを取り戻すだろう。




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