人世の乱れ
人世の乱れ
有り体に言えば【饒速日命】に随伴した三十二柱の防人の内乱である。
下剋上と言ってもいいだろう。
現にそんなことを繰り返され続けた歴史の上に我々は立っている。
国譲りとは名ばかりで、要は国家簒奪の内乱である。
今風に言えばクーデターとでも言おうか・・・
大化の改新で起こったことも『藤原(中臣)氏』のクーデターである。
そんなクーデターを『国譲り』と称して汚いものを隠して美化してきた。
しかし、隠してもその後の行動がすべてを如実に表してしまっているわけである。
海幸山幸
海幸山幸というのは、今日的に言えば『外務大臣(海幸)』『内務大臣(山幸)』といったところか・・・
そして『海幸』は国内には居らず、海外駐留で『統治』を行っていたことだろう。
そんなあるとき、国内でクーデターが起こった。
建御雷神(物部)や経津主神(中臣)ら三十二柱の防人によるクーデターを聞きつけた建御名方神(外務大臣・海幸)は、急遽ヤマトに戻ってきたが時すでに遅し・・・であった。
事白主(内務大臣・山幸)はすでに制圧され、中央は反乱軍に完全に掌握されていた。
だが地方まではまだ完全に掌握出来て居らず、その後、鎮圧軍が編成され討滅されていった。
同時に政治的に、または強圧的に懐柔も行われていった。
海幸軍も抵抗したが、最終的には鎮圧され、命だけは助けられ、居間の諏訪に隠居させられたのだろう。
長髄彦
もっとも頑強に抵抗した長髄彦軍は、まったく衰える気配も無い。
ニギハヤヒ大王家の血を引く誇りが、その強さの源であっただろう。
だが、それも時の流れには勝てず、やがては「懐柔」されてゆくこととなる。
物部氏と血縁を結ぶこととなり、物部氏もニギハヤヒ大王家の血族となる。
だがこれが後に仇となる。
ニギハヤヒ大王家の血を引くものは「根絶やし」にされてゆく。
最終的には聖徳太子の軍に、それこそ「根絶やし」にされてしまうこととなる。
その後も歴史を見れば分かる通り、肉親同士の骨肉の争いは続いてゆく。
そんな穢れをその都度塞ぎ、美麗に飾って誤魔化してきた。
この国の柱はもうヨレヨレのガタガタなのである。
そんな国を支えてきたのは、他ならぬ「庶民」である。
「庶民」の中に眠るヤマトの魂が、この国を崩壊から救い続けているのである。
そんなガタガタの屋台骨を再び継ぎ接ぎして誤魔化そうとしている。
古事記だの日本書紀だのにこの国の「柱」を求め、裏天皇だのを引っ張り出して事を修めようとしている。
人皇の世はどこまで行っても「知恵」をしぼって「誤魔化し」を続けるしか無い。
始まりの「過ち」をそのままにしておいて、いくら立派な柱を立てようと歪んでしまうのである。
三十二柱の防人の反乱者たちが自らを省みない限り、何をやっても付け焼き刃である。
人も神も「改心」あるのみ。
手放すべきものを手放さなければならないのである。
だがそれをしたくないために又ぞろ知恵でなんとかしようとしている。
世界を混沌に巻き込んで・・・・・
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