【黒龍】再び・・・ 《癒奏術・水月抄》





身の内で、霊の内で、ユラユラと蠢くエネルギー。

4年前に身の内に取り込んだ【黒龍】


事ある毎に、ずっと邪気を呑み込み昇華し続けてきた黒龍は、今か今かと【出撃】の時を待っている。


「焦るな、まだ先である。」



今年の夏頃から、時折出てきては「飛びだそう」とする。

確かに、居ても立ってもいられない気持ちはわかる。




4年ほど前に突如現れて、身の内に治まった時は自分の身体が「壊れるのではないか?」と思った。

その強烈なエネルギーの「塊」に慣れるまで、数ヶ月の時を要した。

黒龍の姿だけでなく「人の姿」も備えている。


厳島神社で降りてきた【国之常立神】のエネルギーも強烈であったが、それとは違った別種のエネルギーである。

重く、堅く、地響きのように響くエネルギー。

それは【闇】を容赦なく呑み込んで、昇華し吐き出す。

その一連の様相は、そのまま我が身に映る。



「施術」をするたび必ず「邪気」を吸い取り昇華している。

普通のマッサージの時でもそれは変わらない。

それは、わかるものにはわかる。

「近づくだけで」「触れるだけで」それは起こるから。



そんな【黒龍】が今か今かと飛び出す機会を窺っている。

目の前に広がる「闇」が【黒龍】を誘う。


『冥界の使者』

それがこの【黒龍】


『闇に在りて闇に染まらず 光に在りて光に惑わされず』


闇は光の『対(つい)』なるもの


『闇を知らねば光はわからず 光を知らねば闇はわからず』



最も深き『闇』は 最も眩しき『光』と共にある



眩しき『有』と 暗き『無』

伊弉諾大神と伊弉冉大神の「和合」する『陰陽』

「ウ」と「ム」の神は『産(ウム)』神である



新たな世界が産まれる時

世界は『闇』に包まれ

その後、眩い『光』が満ちあふれる


冥王に『闇』へと掠われることで、ようやく『光』を見つける。


『闇』から逃げた者に『光』は見つからない。

「悲しみ」「苦しみ」「恐れ」から逃げた者に「喜び」は見つからない。


深き『闇』に立ち向かう者だけが、新たな『光』の世界を垣間見る。



やがて『闇の冥王』が、愛と自由と喜びの『闇』を暴く。

愛と自由と喜びにある『闇』を抱ける者だけが『光』を手にする。




【黒龍】の鱗の裏側は「金色」に輝いている。

『闇』の中に『光』を内在するその姿は

紛うこと無き【神】である。





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