偶像 《癒奏術・高天ケ原》




人は「偶像」を作り上げ 「偶像」に依存し 「偶像」に縛られる


「期待」という名の「承認」の欲求が生み出す想像の産物


想像が潜像界で創造され、霊と言う「型」を生み出す


九分九分九厘の霊懸かり


人の想念が生み出した「偶像」の霊の型




神に偶像を求め


他者に偶像の型をはめ


家族の偶像を創造する


それらは「期待」という言葉によって美化され


「霊の型」へと縛りゆく


だがその根底にあるのは


おのれ自身への縛り


おのれ自身への期待


おのれ自身の中にある、いまだ昇華されない「承認」の欲求




「期待」されることに酔いしれるがゆえに


「期待」することを善とする


その根底にあるものは


自分自身の「承認」への欲求


天上天下唯我独尊となれぬ自分自身への情け




人々が生み出す「偶像の霊」に懸かられた


九分九分九厘の霊懸かり


「偶像」に縛られ


「偶像」から抜け出せぬ


「期待」に縛られ


「期待」から抜け出せぬ


それは「承認」されるを望む心の叫び


自分自身が承認せねばならぬものを


他者に依存する心が生み出す蛭子霊




魂への回帰は


唯我独尊の先にしかない





期待


期待は 期を待つ心

信じて期を待つ心

期が訪れるとも訪れぬとも

変わらぬ愛がそこにある



歪んた期待は待つ心なく

欲の情けを与えて縛る

期待に応えぬは受け取らぬこと

与えたものを受け取られねは

恨みつらみの妬みの嫉み

愛でもなけれは恋でもなく

自己承認の歪んだ欲

縛り縛られ依存する心

思いの念の生霊放つ



根っこにあるは認められぬ恐れ

恐れを真ん中に思いは巡る

喜びも悲しみも怒りも

恐れから逃れる思いのはけ口

巡らぬ思いに愛はなく

淀み穢れた九十(こと)を生む

九十が凝りて産まれる蛭子

巡らぬ思いが生んだ霊






眞名井


思いの真中に泉あり

湧き出ずる清水 思いの源

喜怒哀楽に色付けされて

鮮やかな思いとして巡らる



泉を囲む四魂の情

澄んだ清水が引き寄せられて

怒り 喜び 悲しみ 恐れと

流れて巡るが思いの輪廻



起き立ち 隆盛(さかえ) 劉(から)して 流す

四季の巡りと変わらぬ巡り

思いの湧き水留まりて

真中動かぬ眞名井となる



真中が動かば巡りは乱れ

情の水は濁りゆく

鮮やかな色は淀み汚れて

見わけもつかぬ色となる



真中の眞名井 留めて動かず

ただ清水だけを巡らせる

春夏秋冬巡る如くに

立(怒)隆(喜)劉(悲)流(恐)巡りゆく輪廻