【縁(えにし)】~稚姫命の機織り詩 《癒奏術・華厳の章》




未来の扉を開けども 扉を通る者は稀(まれ)

すぐに「みんな」の方へと戻り 再び扉は閉ざされる


天神様の細道は お手々繋いで通れはしない

自分の扉は自分だけの 道へと続く天の岩戸


富士の裾野は広けれど 山の頂(いただき)は狭きもの

独り扉の先を行くもの 山の頂で巡り会う



山を登るは道を極める 自分を極めて行くが道

お手々繋いでみんなと同じで 道の極みに行けはせぬ


みんなと一緒 お手々繋いで そこから逃れられぬ情け

過去と未来の選択で 過去に囚われ過去に戻り行く



次元の先を垣間見て 次元の先へ進むには

過去の次元を手放して 独り進んで行かねばならぬ


されど手放し出来ぬゆえ 結んだ糸も切れてゆく

扉を閉めて過去に戻るゆえ 閉じた扉が糸を切る



再び一からお出直し 結んで開いてやり直し

神の縦糸は縁(えにし)ゆえ 縁(えにし)なければ結ばれぬ


神が与えた縁(えにし)を手放し 過去を握りしめて放さねば

再び縁(えにし)が繋がること無く 扉にたどり着くことも無し



扉を開いて五六七と進むか 扉を閉じて四三へと帰るか

神が与えた縁(えにし)の結び 生かすも殺すもおのれ次第


神の奇跡は縁(えにし)の軌跡 縦横結ぶ道の糸(意図)

扉の先の五六七の機織り 縺れて織れぬ四三の機織り



機織りの 海原渡る 伊都能売の舩(ふね)

稚姫命の五六七の機織り 稚姫命無き四三の機織り


過去と未来の境の岩戸 四三と五六七の境の扉

縁の糸を紡いで行くか 情けの海に沈んで行くか



改心出来ればお出直し 縁の結びからやり直し

縁結ばねば扉は開けず 扉開かねば道も進めぬ


縁の糸は蜘蛛の糸 穢れ祓わねば糸は途切れる

天神様の細道は 禊いだ身一つ通れる細道


嘘を纏いて情けを握って 通れるほどは甘くない

穢れの重みで糸は切れ 縁が来るまで待ちぼうけ




稚姫命の機織りの先 五六七と進む弥勒の世界

稚姫命の無き世界 四三と縺れた過去の世界