『月夜の闇は岩戸開けて、月読命のお役ご隠退』 《癒奏術・鋼の章》




神をただ「見上げる」ものとして 様々な「教え」は広がった

ゆえに教えに忠実であるほどに 次元を超えられぬ自分となる

それはある意味「呪い」となって 人を霊止(ひと)たらしめている

霊を身に縛る「足枷」となって 霊止(ひと)とし人たらしめている


それが「月の世」月読の 月明かりしか照らせぬ世

太陽あがめて月明かり 月光が照らす道しるべ

夜の暗がりを照らす松明 足元さえもおぼろげな世

ゆえに光に誘われて どんな光も崇め奉る



自分の足元さえもわからず 誰かに教え導かれ

ただ「歩ける」を貴しと 「教え」の光に付き従う

「教え」がなければ歩けぬゆえに 「教え」を離せぬ心の恐れ

善悪さえも「教え」に頼り 我が【神】さえも教えに頼る



何も知らぬ暗がりの闇に 差した光が月読命

獣を霊止へと変えたる神 全き闇を照らしたる神

獣を人へと育てたる 月の光の道しるべ

神なき闇夜に神を照らした 太陽の光を映す神




日ノ本は 太陽の光 照らす国


それが今では月明かりの 「教え」求めて彷徨う有り様

月明かりの「教え」を貴び 外国御魂と成り果てた


太陽を 岩戸に隠し 闇にして 鏡に映し 月明かりの世




岩戸はすでに開けているのに 鏡を握って離せぬままに

陽の光に照らされた 足元周りに目を向けず

月明かりばかり追いかけて 闇へ闇へと自ら進む

愚かなるかなヤマト人 外国御魂に堕ちたる魂



月読命の役目は終わり 闇が開けた岩戸開け

天を照らす日が国をも照らす 霊即日となる岩戸開け

自らの霊(ひ)が霊加理(光)なり 神の理宿した光なり

霊加理の本ゆえ日ノ本なる 光の御魂が世を照らす



ゆえに闇夜を照らす教えは 闇へと向かう道しるべ

教え手放し鏡手放し 自ら光となるが弥勒世

霊を留めおく枷を外して 五六七(みろく)の光を三四五(みよいづ)重ね

縦糸横糸織り結び 新たな世界の機織り結ぶ


縦糸横糸の八重(はたえ)の機織り 軸糸加えて九重(ここのえ)十重(とえ)に

霊止(ひと)の「止め金」外せぬは 軸糸無きゆえ黄泉(四三)を彷徨う

御魂の真中に霊加理なきゆえ 未だ月夜に留まる御魂

月読 月黄泉 月夜見と 月の明かりの籠の中



闇へ向かうか 光へ向かうか 御魂次第の分かれ道

闇夜の烏(カラス)は八咫烏 八重の月夜を照らす道

岩戸開けた光の世には 青空に浮かぶ霞(かすみ)の明かり


十重に織られた光の中 月夜の黄泉(読み)から現れる

日月重ねた大神は 天地を繋ぐ神柱

縦糸横糸織りたる八重(はたえ・織衣) 三四五(みよいづ)五六七(みろく)と積み重ねる軸

九重十重と積み重ね 三五七の一致が神人一致



神幽現(七五三)界一致して 時に神なり 時に霊止なり

顕現自在の顕自在菩薩 観自在は月夜の理(ことわり)

日月結んだ光の菩薩 顕現自在の菩薩身

顕自在身が神の宮 神人一致の宮柱立つ



五六七の縺れは既に解けて 三四五の糸 縺れたままに

四三で縺れに縺れた糸は 立て分け過ぎても縺れは酷し

蜘蛛の軸糸垂らせども 神の慈悲も届かぬ闇夜


日の光が眩しすぎて 白き闇に包まれて

相変わらずに月明かり探し 闇へと向かう愚かさは

闇は光 光は闇と 取り違えたる闇夜の烏(カラス)


岩戸が開けた光の中で 闇夜の烏が運ぶ船

月が月であるために 闇を求める八咫烏

岩戸塞いだ暗がりの世に 未練の注連縄 教えの鏡

枷を外せぬ禰宜巫女は 闇の帳に呑まれゆく



蜘蛛の糸を垂らせども 手を伸ばしさえせぬからに

何も掴めず 何も進まず 闇夜の帳の籠の中

「教え」の枷に囚われて 月夜に留まり黄泉へと流れる




「教え」に囚われた闇人 これだけ現われているに尚も

「教え」を握って離せぬは 光を忌む心あると知れ

慣れ親しんだ「闇」を恋して 闇から抜けれぬ御霊溢れる

「教え」を求め「教え」を追いかけ 目の前の「糸」も見えぬ有り様



教えて教えて教えたところで 闇を求めるその目は閉じて

目の前の「糸」が見えねば掴めぬ 掴めねば道を上がれぬに


ただその眼(まなこ)を見開けば 明らかなる世が広がるに

目明きと目闇(めくら) 一目瞭然 「教え」の何たるかも見えように

目を閉じたまま手探りで 月明かりを探す滑稽

古き「教え」を握りしめ 「杖」としようやく立てている

立っているだけで進めはせぬゆえ 声高々に教えを叫ぶ

人を集めて安心得るため 教えの集いで支え合う

岩戸閉じたる闇夜の教え 眼開きてとくと見よ

光の下に晒された 教えの本質とくと見よ

哀れ獣の巣となりし 闇夜の教えの在り方よ

夜の闇が無ければ生きれぬ 「教え」の本質とくと見よ



岩戸閉じたる暗がりの世の 教えは既に役立たぬ

岩戸開けた世界には 「教え」という名の灯火は霞む

天の岩戸は既に開けて 地の岩戸 未だ開かぬ

地の岩戸は智の岩戸 日を知る智を得て岩戸を開く

日即霊 霊即神 神即身

日は神霊 月は身

日月一致す地(智)の岩戸開け

「教え」で開けるわけは無し

掴んで進んで地(智)を進む 未知なる道を開き知りゆく

霊止の千(智)引きの岩戸開け 蜘蛛(雲)の糸を掴んで進む

三四五と上がれたら 五六七と上がりゆく

三四五 五六七 八栄えて 三五七と次元を結ぶ

顕現自在の菩薩身 神人一致の顕自在神

神は人なり 人は神なり



黄泉に迷うは一目瞭然 赤子の目にも写るなり

己を偽らば黄泉に迷う 岩戸開けたるこの世界

神懸かりと霊懸かり 明暗分かつは己の心